吉野家の売上 今季赤字に

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2018年10月9日

6期ぶりの最終赤字の見通しとなった吉野家ホールディングス。主要業態の牛丼チェーン「吉野家」は客数が想定どおりには伸びなかった

牛丼チェーン「吉野家」やうどんの「はなまる」などを展開する吉野家ホールディングスは10月5日、2018年度上期決算を発表する。それに先立ち、9月27日に通期の業績見通しを修正した。売上高は期初計画の2110億円から2050億円(前期比3.3%増)に減額。純損益については17億円の黒字から一転して11億円の赤字へと下方修正するなど、6期ぶりに最終赤字へ転落する見通しとなった。下方修正を発表した翌日の株価(終値)は前営業日比105円(5.5%)安の1802円と、年初来安値の1771円に迫った。

吉野家ホールディングスのもくろみが狂ってしまったのはなぜか。要因の1つが吉野家の既存店売上高が想定どおりの伸びを達成できなかったことだ。もともと、この上期は「鶏すき丼」といった新商品の展開や、夕食強化の一環として「炙り塩鯖定食」などを投入し、既存店売上高は前年同期比7%増を見込んでいた。だが、ふたを開けると投入した新商品が伸び悩んだほか、6月の大阪北部地震、7月には西日本豪雨や台風12号と相次いで天災に見舞われた。その結果、既存店売上高は4%増にとどまった。加えて、グループ会社のアークミールの不振が重なった。同社は「ステーキのどん」や「しゃぶしゃぶどん亭」など肉料理の業態を手掛けており、主に首都圏や京阪神地域のロードサイドに174店舗を展開する(8月末現在)。

アークミールはグループ全体の売上高の1割程度を占めるが、ペッパーフードサービスが展開する「いきなり!ステーキ」が出店を加速するなど攻勢を強めており、不振が続いてきた。会社側は「ステーキのどんは吉野家のようにふらっと立ち寄る店ではなく、『車で行こう』と思って行くところ。一度客が離れると回復が遅い」と説明する。7月にはステーキのどんとステーキ店「フォルクス」の全店で終日全席禁煙化に踏み切ったほか、夏季限定商品を投入したが、効果はいま一つだったようだ。アークミールでは8月末に長岡祐樹氏が社長を辞任。9月から池上久会長が、社長を兼任する体制になった。会社側は「体調不良による辞任」と言うが、業績をテコ入れする狙いもありそうだ。

売り上げが想定に届かなかったことに加え、コスト面でも苦しんだ。中でも痛かったのが、採用コストの上昇だ。吉野家で期初に当たる3~4月は、学生のアルバイトが卒業や進級を理由に入れ替わるタイミングで、例年、採用を強化する時期だ。だが、今春は必要な人数のアルバイトを確保するのに苦戦。結果的に店舗で働く社員の残業代が増えてしまった。ドライバー不足やガソリン価格の高止まりを受け、物流費の高騰も重くのしかかった。こうしたコスト増を受け、外食各社では値上げが相次ぐ。鳥貴族が2017年10月に1品280円均一から298円に引き上げたほか、同じ牛丼チェーンのすき家が2017年11月に、松屋が2018年4月にそれぞれ原材料価格や人件費の上昇を理由に値上げに踏み切った。

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