最大手の一角だけあって同業他社と比較すると給与は高い。他業種と比較して「仕事は見て覚えろ」という暗黙知の割合が非常に大きな業界ではあるが、その中では比較的社内マニュアルや研修体制が整っていると感じられる(この点についてはこの業界が他業種に比べて遅れすぎているという面が大きいが)。また、協力業者(一次以下、下請企業)のレベルも高く、高難易度の施工物件であっても社内・社外のバックアップ体制が充実している。
大企業だけあって内勤関係の部署も多く、いわゆる「人が仕事をする為の仕事」を作り出してしまっている傾向が見受けられる。作成が必要な社内書類は働き方改革の一環で削減する方向で合理化を図っているが、削減の意思決定にも時間が必要で一朝一夕には完了しない印象を受ける。若手社員の頃からそういった書類作成も当然業務として発生するので、真に「ものづくり」の現場に立ち、経験を得ることが難しくなっていると思う。一身上の都合で、同業界ではあるがこの会社を退職し、現在は小規模は建設会社に勤めているが小規模ゼネコンの監督は施工図製図から現場での納まり検討まで一身で行っている。本当の意味でエンドユーザーにとって価値ある建築物を提供しているのはどちらの会社か、と問われると大手だからといって「清水建設」と即答は出来ないと感じる。